あれは9月のはじめくらいだっただろうか。
その頃の私は、10月のディズニー旅行に向けて、少しずつ準備を進めていた。
それで、久しぶりに旅行に行く前に、どこか肩慣らし的な感じでふらっと遊びに行ける場所はないだろうかと思い、スマホのメモ帳に書き溜めている「やりたいことリスト」*1の中にある「いつか行きたい神社仏閣」欄を久しぶりに見返した。
伊勢神宮。
行けなくはないけど、乗り慣れてない近鉄に乗って行くのはディズニー以上にハードルが高い。
無理無理。
車で片道5時間とかだし、ハードルが高すぎる。
行けなくはないけど、車だとディズニーの練習にはならなそう。
長谷寺。
こちらも行けなくはないけど、ディズニーの練習にはならなそう。
熱田神宮。
ああ、ここなら新幹線ですぐ行けるし、新幹線から最寄りの駅も10分足らずだし、駅から神社も近いし、なにより新幹線の練習になってちょうどよさそうだ。
という感じで、例の名古屋日帰り旅行が決まったわけだけれど、そのときにひときわ目を引いた神社があった。
出雲大社だった。
◆◆◆◆◆
実はわたしは、2年前の2020年に、出雲大社で開催される「縁結大祭*2」の参列に申し込んだ経験*3がある。
しかし、その時はコロナ禍真っ只中で参列者が大幅に絞られていたため、そして申し込み開始に気づくのが遅かったため、参列は叶わなかった。
そうしたら、ちょうど神在祭と縁結大祭が開催される期間に博多に行くことが決まったので、
「2日目は出雲に移動して、神在祭や縁結大祭の雰囲気だけでも感じて来よう」
と思って、わざわざ岡山県近くのホテルを抑えて参拝を楽しみにしていたくらいだった。
初日の夜に新幹線で岡山まで移動し、朝早くに岡山を出て、電車に乗って出雲へ向かうつもりだったのである。
しかし、旅行の3日前になって、出雲へ向かうために乗らなければいけない列車が「振り子電車」だということを知ってしまった。
振り子電車は、乗り物酔いしやすい人にはあまり優しくない列車らしく、Googleで検索をかけたら色んな人の強烈レポートがあった。
「やばいじゃん、私には絶対無理じゃん」
と思った。
博多から出雲大社に行く方法は、振り子電車に乗るか、飛行機に乗るか、自家用車(レンタカー)で行くか、くらいしかなかった。
飛行機には一生乗りたくない*4し、車で行くのもハードルが高いし、これはどう頑張っても無理だな、と思った。
結局私は、泣く泣く出雲行きを諦め*5、他に行けそうな神社仏閣を探した。
それで大分の高塚愛宕地蔵尊に辿り着いて、結果としてすごく満足度の高い参拝をすることができたのだけれど、実はあの博多大分旅行の裏では、そんなことがあった。
昨年2021年も、一応神在祭や縁結大祭のことは調べていた。
が、コロナの影響で神在祭は大幅に縮小され、縁結大祭についても、一般参列申し込みは一切受付ない*6、ということだった。
まぁ、どうせ、うつ病真っ只中だったから行けなかったんだけれど、神社好きな身として
「いつか出雲に行きたい」
「いつか出雲大社の神在祭および縁結大祭に参加してみたい」
という思いは、心の奥底にずっとあった。
◆◆◆◆◆
メモ帳に書かれていた「出雲大社」の文字を見たとき、
「そういえば、京都から出雲大社に行くにはどうしたらいいのだろう?」と思い、もう一度ちゃんと、詳しいアクセスを調べてみることにした。
するとやっぱり、振り子電車か、飛行機か、車しか手段はなさそうだった。
しかし、よくよく調べてみると、関西(伊丹空港)から飛行機で向かう場合、出雲空港まで約50分で行けることが発覚した。
正直、そんなに短い時間のフライトで済むとは思っていなかった。
しかも、空港から出雲大社までも電車やバスを乗り継いだら1時間くらいで行けるし、それだったらたぶん、京都から新幹線でディズニーに行くくらいの時間と変わらない。
「1時間弱くらいなら、一度、飛行機に乗ってみてもいい……かも……?」
そう思った。