スプーンひとさじのしあわせ

京都府宇治市在住。2021年にうつ病を患いましたが、なんとか生きています。思ったことをありのまま、マイペースにゆるっと綴ってます。

祝!免許取得1年。

8月末で、車の免許を取得してからちょうど1年が経った。ので、免許取得のために訪れた運転免許試験場での話を約1年越しにレポートしたいと思う。

 

免許試験場は、絵に書いたような「官僚制組織」だった。決められた時間に決められた窓口に行って手続きをして、それが終わったらまた決められた時間に決められた場所に行って、列に並んで手続きをおこなって、、、。ほんとに、「ここ以上の官僚制組織ってほかにあるか?」ってくらいに官僚制官僚制したところだった(官僚制官僚制ってなに)。

ロボットのように淡々と、決められた仕事を無愛想にこなす職員さんを見て、「この人たち、なにが楽しくてこの仕事やってんだろうな」と思った。「人間とは、仕事とは何か」を考えたくなった。

官僚制制度は合理性を追求した組織の最終形態だけど、わたしはこの官僚制組織がとってもきらいだ*1。自由がなくて人間味がまるでないし、融通が利かなくて不便すぎる。まあでも「きらい」とはいえ、官僚制というのは社会学のなかでとても重要な概念のひとつでもあるので、社会学をやっている身としては非常に勉強になる&観察しがいのある場所だった。

 

官僚制組織と言えば、それまでお世話になった教習所もなかなかの官僚制組織だったので、生徒だった頃はいつも勝手に社会学的に所内を観察していろいろと楽しんでいた。

わたしの通っていた教習所は、良くも悪くもかなり昭和的&伝統的で、わりと官僚制的要素が強い場所だった。ほかの教習所を見てないから何とも言えないけど、きっと数ある教習所の中でも官僚制的要素がわりと強めのところだったんじゃないかと個人的には思う。

 

教習所に初めて行ったとき、そして入所時にもらった教習所の案内冊子を見たとき、「きっとトップにいる人が昭和的な要素(官僚制的なもの)を大事にする、アナログ寄りの人なんだろうな~」と思った。根は真面目だからちゃんとすべきところはちゃんとしてるけど、めっちゃ頑固で融通が利かない!みたいな感じの人。知らんけど*2

だからわたしはずっと、自分が通っている教習所のことを「ちゃんとしてはいるけど、どこか固定観念に縛られている非常にお堅い教習所」だと思っていた。「時代や社会の変化に合わせたシステムを取り入れてるようで全然取り入れられていないし、凝り固まった考え方(=官僚制要素)のせいで、肝心な部分を見落としてしまっていませんか?」みたいな、、、(笑)

 

 

、、、話がえらく脱線してしまった。

 

そうしていろいろと社会学的に試験場を観察しながら諸々の手続きを済ませ、「交通安全の知識ではなく国語の読解力が問われる謎の学科試験」(笑)を受けた。

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「まあ普通に受かってるやろ」と思いつつも、自分の番号が出たときはやっぱりうれしかった。たぶんわたしは136だったと思う。記憶力がやばい。

 

学科試験に合格したことを確認したら、免許発行の際に必要になる暗証番号を決めて、それを指定の機械に自分で入力しに行かないといけなかった。

長年ディズニーオタクとしてTDRへ足しげく通うなかで、「賢くTDRを楽しむ(=賢く人生を楽しむ)術」をいろいろと身につけてきたわたしは、「これは人であふれる前に、早めに入力しに行った方が良いな」と思った。ので、合格の余韻もそこそこに、すぐに機械のある場所に行って暗証番号の設定を済ませた。

終わって後ろを振り返ると、長蛇の列ができていた。大勝利👏わたしに「先を読む力」を育ててくれたTDRに心から感謝したいと思った。

 

「学科の合格発表から免許証ができるまではかなりの時間がかかるから、なにか暇つぶしできるものを持って行った方が良い」というのを友だちから事前に聞いてたので、わたしはこれを持って行って読んでいた。

自分に気づく心理学(愛蔵版)

自分に気づく心理学(愛蔵版)

  • 作者:加藤 諦三
  • 発売日: 2006/04/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 これはわたしと同じく「心理学が趣味」という教習所の指導員の人におすすめしてもらって買った本だった。それまでにも加藤さんの本は何冊か読んだことがあって、「この人めっちゃキレのある文章書くな」と思ってわりと好きだったのだけど、このときはじめて加藤さんが社会学者だったという衝撃の事実を知り、めちゃくちゃ親近感が湧いた。そしてこの本を読んで以降、わたしのなかで加藤諦三さんブーム」が巻き起こり、いろんな本を読み漁った。今ではすっかり加藤さんの大ファンである。

指導員の先生は「この本を読むなら時期を考えた方がいい。俺は大学時代にこの本を読んでめちゃくちゃ病んだ」と言っていたけど、わたしは逆にめちゃくちゃ楽しく読んだし、思い当たる節がありすぎて読みながらニヤニヤしてしまった。(笑)

でもそれはたぶん、わたしがこれまでの20数年間、世の中の汚れとともに人生を歩み、常に斜め上から物事を見てきたからなんだろうなあと思う。前もなんかの記事で言ったけど、わりと純粋な心を持った人には、一切の容赦がないキレキレの加藤さんの文章はしんどいと思う。

とりあえずわたしがこの本を読んで思ったことはこれに尽きる。

「心理学が好きな人は、基本心を病んでる」(笑)

 

わたしの中で、この日の一番の目玉イベントは「免許証の写真撮影」だった。

「免許証の写真はどう頑張ってもブサイクになる」といろんな人が言っていたので、「わたしは絶対ビジュアル良く写るんや!!!」という謎の意気込みのもと、事前にGoogle先生を使って免許証の写真写りを良くするコツを徹底的に調べておいた。そしてそれをもとに服装を考え、いつにも増して丁寧にメイクと髪型をセットしていた。

番号を呼ばれて列に並んでからも、自分の番がくるまでは何度も手鏡でビジュアルを確認し、ずっとビューラーでまつげをあげていた。撮影の部屋に入ってからも、「絶対にそっちのペースには巻き込まれへんからな!!!こっちはマイペースだけが取り柄なんやから見てろよ!!!」*3と思い、機械的に淡々と撮影をこなす職員さん&向こうのペースにまんまと巻き込まれてあたふたする人びとをよそに、椅子に座る直前までしっかりと鏡でビジュアルを整えた上で、非常にマイペースに撮影をさせてもらった。迷惑な客である。

でもその努力の甲斐あって、写真の出来は非常に良い。試験場ではじめて免許証を渡されたとき、想像以上のビジュアルの良さ(笑)にとても満足して、「😊♪」という顔をしながら試験場をあとにしたのをよく覚えている。ほんとにすごく努力して撮ったので(その熱意と情熱をもっとべつのことに使ってほしい)、免許取得から1年経った今でも免許証の写真は一番のお気に入りだし、何かしらで身分証の提示が必要になるときは必ず運転免許証をドヤ顔で見せる。

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と言っても、免許証見せる機会ってあんまりない。

 

そんなこんなで、試験場での1日はわりと楽しいものだった。最初は「あんなクソ田舎の汚いところに半日もいなきゃいけないなんて耐えられない!」と思っていたけど(笑)いろいろと学ぶこと、考えること、思うことが多くて非常に充実した1日だった。

 

次は2年後。

2年後のわたしはまだ院生をやっているのか、

それともどこかに就職しているのか、、、。

乞うご期待。?

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そして2年後、世界はどうなってるのやら。

 

 

 

 

*1:だからわたしは、官僚制組織の代表例のひとつである「学校」がきらいだったのである。

*2:なんで関西の人ってすぐ「知らんけど」って言うんだろう、、、(笑)

*3:「椅子に座ったら息つく間もなく写真を撮られるから、向こうのペースに持って行かれないように落ち着いて行動すると良い」とGoogle先生が教えてくれていた。