スプーンひとさじのしあわせ

京都府宇治市在住。2021年にうつ病を患いましたが、なんとか生きています。思ったことをありのまま、マイペースにゆるっと綴ってます。

はじめての入院体験日記②

前回の続きです。

duffyuki224.hatenablog.com

 

さて、とうとう手術当日の朝を迎えてしまった。あ~~~。
手術は午後からだったので、朝食はふつうに出してもらえた。

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どこかの高級ホテルの朝食みたいにキラキラしている。しかもハーブティー付き。もちろんどれも文句なしにおいしい。

配膳のおばちゃんがわたしの部屋を見て、
「明るくてかわいいお部屋ね〜😊気持ちも明るくなっていいわね!」
と褒めてくださった。思わず笑顔になる。

とても入院中、そして手術当日とは思えない。なんて素敵な朝なんだ。

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今やってる朝ドラの曲がめっちゃ好きなので、それを聞きながら朝食をいただいた。ちなみにドラマは興味ないので観ていない。

朝食を食べ終え、ひたすら午後の手術開始まで待つ。

予定では13時か14時頃と言われたので、軽く4~5時間待たないといけなかった。そんな長時間なにして待てばええんや!(笑)

さすがに読書するような気にはなれなかったので、とりあえずスマホで過去の動画や写真を見返した。懐かしかった。

やがてそれも飽きてきたので、テンション上げるために秋元グループの曲をひたすら踊った。いぇーい。

そんなことをしていると11時半くらいに看護師さんが来て、「そろそろ手術着に着替えてねー」と言うのでとりあえず着替えてみた。

手術着を着た自分の姿を鏡で見てめちゃくちゃ病んだ。ああ。なんてことだ、と思う。まさか自分がこんなもの着る?身にまとう日がくるなんて〜。

 

 

それからすぐに母が来て、麻酔の先生が手術の説明をに来てくれた。いよいよだなって感じがしてきて、さっき以上に病んだ。というか軽く泣いた。

それで「準備ができたら呼びに来るので、それまであと30分くらい待っててください」と言われたので、「どうにかして意識を手術以外のことに向けねば」と思い、わたしが1番好きで尊敬している大学の先生の授業の録音を聴いた。荒ぶっていた精神が一気に落ち着く。なんとなく内容の濃そうな授業のときは録音して、帰ってから復習に使ったりしていたのだけど、まさかこんな形で役に立つ日がくるとは思わなかった。

好きな先生の講義を聴いて気持ちを落ち着かせるなんて、我ながら相当変態だと思うけど(笑)おかげでだいぶ平常心を取り戻せた。先生ありがとう。

 

13時頃、突然看護師さんが来た。

それでよくわからないまま看護師さんについていくと、そこはもう手術室の前で「え、そんな急なん!!!」と思ってるうちに手術室に入れられてあっさりと扉が閉まり、「やばい、もう逃げられねえ、、、!!!」と思ってるうちに手術台に上がらされ、不安すぎて死にそうになってるわたしをよそに淡々と準備が進められ、麻酔を入れられて、「だんだん眠たくなりますよ〜」って言われて、、、。

 

、、、

、、、

、、、

 

気付いたらわたしは病室のベッドにいた。

、、、??????

「もう終わったで」

母にそう言われた。

、、、??????????

ああ、そうか。わたし手術してたんか。

手術、無事終わったんか。

そうか、、、、、終わったんか、、、、、、。そうなんか、、、、。

安心したのか、一気に涙がバーーーーーっと出る。

「(腫瘍)だいぶ大きかったみたい。先生、『痛かったと思いますよ』って。」

そりゃねえ、最近はめちゃくちゃ痛かったよ、、、だって9㎝よ、、、?(笑)

「何時?」

「4時」

ああ、ほんとに予定通りの時間に終わったんだなあ、良かったなあと思った。

「そうか、、、ちょっとゆっくりするわ、、、。」

 

そのあとのことは、あんまりよく覚えてない。

ただなんとなくお腹が痛くて、「お腹痛い〜」言うて看護師さんに痛み止めの点滴を打ってもらったり、とにかく酸素マスクが邪魔で「うにゃ~なんじゃこりゃ~」と思って何度も付け直したり、面会時間が過ぎて母が帰るときに「あああ、、、すまんなあ、、、こんな騒動のなか、わざわざリスク高そうな電車に乗らせるようなことになってしまってなあ、、、ほんまにすまんなあ、、、。」と思ったり。

あれ、けっこうちゃんと覚えてるな(笑)

 

そんで20時だったか、21時頃には心電図やら何やらの機械装置も全て外れて点滴だけになったので、それまで以上により意識がはっきりしてきた。ちょっとスマホをいじる余裕も出てきて、LINEの返信をしたりもしていた。

あとは、看護師さんに支えてもらいながら座る練習もした。

ぬぼーーーっとして、とにかく身体全体が痛くて重くて、めちゃくちゃしんどかった。なんじゃこりゃ、と思った。はじめての感覚だった。

で、その後はTwitterを見て素敵な選TAXIの再放送をやってることを思い出し、それをぼーっとみていた。おもしろかった。というか、手術後すぐによくそんなスマホいじったり、テレビ観たりする余裕があったなあと、今になってめちゃくちゃ思う。

 

23時頃、さっきよりは座るのもスムーズになったので、看護師さんに付き添ってもらいながらトイレに行く練習をした。めちゃくちゃしんどかった。

そして、夜中2時頃には看護師さんに手伝ってもらいながら服を着替え、温かいタオルで身体を拭いてもらった。

今まで当たり前にできていたことが自分の力だけじゃ何ひとつできなくなっていて、なんだかとても情けなくなった。しゃーない。そりゃ数時間前まで全身麻酔で強制的に眠らされていたんだから、と思うけど、「THE病人」って感じで悲しくなった。まあ病人なんやけど(笑)

 

めちゃくちゃ眠たいのに、なんだかんだで看護師さんが2時間に一度は様子を見にきてくれるので、寝たくても寝れなくて(笑)それが何気に辛かった。

でもほんとに、この日夕方から明け方までずっと付き合ってくれた看護師さんはめちゃくちゃやさしくて、いろんなことを気さくに話してくれる、とても良い人だった。「まだ若いのにすごいな、、、たぶんわたしとそんなに歳変わらんのに、まじで尊敬するな、、、。」と、ひたすら感心していた。「こんなやさしくてかわい子に色々やってもらってたら、わたしが男だったら絶対惚れるなあ~」とか思った。ほんとに何しょうもないこと考えてんだろうこのときのわたし(笑)

でも、病院に来るたびに思うけど、医療関係の仕事してる人ってほんとに、ほんとにすごいと思う。わたしには絶対無理だと思う。今もコロナ騒動でいろいろ大変だけど、いろんな苦悩や葛藤を抱えながらも毎日頑張っている医療関係者の方たちには、ほんとうに頭が上がらない。みなさん、いつもありがとうございます。

 

そんなこんなで、うとうとしながら過ごしていたら、いつの間にか朝になっていた。

そしてやっと点滴も外れて、自由の身になれた。めでたし、めでたし。