スプーンひとさじのしあわせ

京都府宇治市在住。2021年にうつ病を患いましたが、なんとか生きています。思ったことをありのまま、マイペースにゆるっと綴ってます。

はじめての入院体験日記③

さて、そろそろこちらの記事の続きをしゃべります。

duffyuki224.hatenablog.com

 

術後1日目は、とにかくずっと死んでいた。麻酔の影響なのか何なのか、ずっと吐き気がしてご飯もほとんど食べられず、眠たいのに寝れず、何もする気が起きず、、、。当然傷部分はめちゃくちゃ痛いので、ベッドから起き上がり、立ち上がってトイレに行くだけでも一苦労だし、もうほんとに全てがいやだった。モヤモヤ~とした不安と恐怖がわたしの全神経を支配し、頭がおかしくなりそうだった。

5日間の入院生活のなかで1番しんどかったのは間違いなくこの3日目だったと思うし、わたしの24年の人生の中でもかなり上位に入るくらい辛くてしんどい日だったと思う。本当にただひたすらに、諸々のしんどさに耐えているだけで1日が終わった。

 

21時頃、看護師の叔母からLINEがきた。

「ちょっとは元気になったか」

1日の状況を説明する。

 

「取るもの取ったんやから、滅入ってる場合ちゃうで

麻酔の影響大きいと思うけど、日に日にマシにはなるわ

 

さすが長年看護師長やってただけあるな、と思う。

気持ちがスッと楽になった。

たしかに、もう取るものは取ったわけだし、滅入ってる場合じゃない。

昨日の今日である。今日が一番しんどくて、辛くて当たり前である。

明日にはきっと、もう少し楽になる。

そうなったら明日こそは、気持ち新たに本を読んだり、ブログを書いたりして1日を有意義に使おうと心に誓った。

 

◆◆◆

入院生活4日目。術後2日目。

6時前に目が覚めた。昨日より身体がちょっとだけ動きやすくなっててうれしかった。

 

この日朝食を持ってきてくれた配膳のおばちゃんは初めて会った人だったけど、今までの誰よりも丁寧でやさしい、フランクな人だった。

「今日も1日元気に頑張りましょうね!😊」

と笑顔で言ってくださって、なんだかちょっと元気が出た。

朝食は1時間くらいかけて8割方食べた。なんとか食べれてホッとした。

 

ようやく「何かをしよう!」という気になり始めたので、持ってきた本を読んだり、ブログを書いたり、大学の履修登録をしたり、コロナの情報を収集したりしながらゆったりと過ごした。相変わらずメンタルは不安定でしんどいし、身体も痛くてひとつひとつの動作にめちゃくちゃ時間がかかって嫌になったけど、昨日よりは断然穏やかな時間を過ごせた。

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いかにも「入院なう~」みたいな写真が撮れたので記念に載せる。

 

夕食後、先生から改めて手術についての詳しい説明を受けた。

「お疲れ様でした。ほんとに、ほんとによく頑張られましたね。」

先生にそう言われ、ちょっと泣きそうになる。

 

わたしがお世話になっている先生は、男性の先生である。おそらく、わたしの両親よりも少し歳上の、おじさんとおじいちゃんの狭間にいるような感じの先生だけど(笑)診察も手術もこういう説明も、何から何まで全部1人でやっておられる。すごい。

普段は淡々とした、一見怖そうに見える感じの先生だけど、じつはとてもやさしくていい人である。だから個人的に先生のことはめちゃくちゃ好きだし、とても信頼している。

 

説明が終わった後、最後に先生はこんなことを言ってくれた。

 

「こんな小さな病院で、わからないこともたくさんあっただろうに、ここを選んでくれてありがとうございます。入院生活はお辛いこともたくさんあるかと思いますが、こんな経験滅多にできるもんじゃないですし、今後のあなたの人生とって必ずプラスに働きます。なのでぜひ、この入院生活をあなたなりに生かしていただいて、これからもいろんなことを頑張っていただけたらなと思います。」

 

今読むと、ほんとにいい言葉すぎて泣いてしまうな~~~。

(そんな今も自分で書きながら泣いている)


昨年の春、一番最初に身体に異変を感じたとき、じつはこの病院とはべつの病院で診察を受けた。けど、「ここはちょっと、なんかちがうな」という得意の直感が働いて、べつの病院を探すことにした。それでネットで色々調べてなんとなく目に留まったのが、いま入院しているこの病院だった。

はじめてこの病院に来て先生の診察を受けたとき、「この先生なら大丈夫だ」と確信を得た。で、それ以来ずっとこの病院にお世話になっている。

 

先生はいつも、患者本人の意思を何よりも尊重してくださる。定期検診のときはいつも「今はまだ治療は無理にする必要はないと思うけど、ゆきさんは何かご希望はありますか?」と聞いてくださっていたし、手術が決まったときも、「もし必要であれば別の病院に紹介状書くこともできるし、『こうしてほしい』という要望があれば、何でも遠慮なく言ってください」とおっしゃっていた。

なのでわたしは、診察の度に先生の「あまりにもできすぎた人間性」に感動していたのだけど、個人的に一番感動したのは、入院直前に手術説明を受けたときに言われたこの言葉だ。

 

「この病気は月経の度に進行するので、若い方が妊娠の可能性はあります。とはいえ、高齢になると例え病気じゃなくても妊娠の可能性は低くなるし、そもそも現代は、女性が出産して子育てするには、あまりにもリスクが大きすぎる社会でもあるから、、、。それでもゆきさんが『どうしてもこの人との子どもを産みたい!』って思う人と出会って、そうしようと思うならそれは応援しますけど、最終的に結婚して、出産するかどうかを決めるのはゆきさん本人です。今後どうするかは、“ゆきさんにとって、何が1番しあわせで健康的なのか?”ということをよく考えて、決めてほしいと思います。」

 

ここまで患者さんのことを第一に考え、親身になってくれる先生が果たしてほかにいるだろうか。わたしは、この先生を超える人間性を持ったお医者さんは、たぶん日本中どこを探してもいないんじゃないかと思っている。それくらい、ほんとにほんとにすごい人だと思う。

人間性が素晴らしすぎる上にとても博識な人でもあるので、個人的にはそれこそお寺とかで説法をしたらめちゃくちゃ人気が出そうだな、と思う。もし実際そうなったら、わたしは毎日でもお金を払って聴きに行くよ!!!(笑)

 

先生の話を聞いて、改めて、この先生と出会えて、そしてこの病院で手術できて本当に良かったな~と思った。

 

その後シャワーに行き、気分すっきり帰ってきたら、叔母からLINEがきていた。

 

「今日はマシか?ゆっくりするのも退屈になったらえーんやけど」

「今日はだいぶマシやった!明日の血液検査でなにもなかったら明後日退院やって」

「遅いな~。〇〇(叔母が勤めている病院)はみんなオペ後3日で帰らはるけどな~。検査結果良ければ明日帰れへんか聞いたらえーやん」

 

え(笑)

たしかにネットで色々調べてみると、わたしのやった腹腔鏡手術は術後3日目に退院できる病院がけっこう多かった。なのに、なぜかわたしが入院している病院は術後4日目の退院が基本スタイルっぽかった。

なぜだ。なぜこの病院は入院日数が1日多いんじゃ。

たしかにだいぶ入院生活に慣れてきたとはいえ、1日でも、半日でも早く帰れるのなら、ぜったいにその方がいい!!!!!はやくおうちにかえりたい!!!!!!!そしてはやくおうちのもこもこお布団で寝たい!!!!!!!(笑)

 

というわけで、検温に来た看護師さんに、「検査結果が良ければ明日のうちに帰れないか」ダメもとで聞いてみた。そうしたら、「あとで先生に相談してみるけれど、あまり期待はしないでね」と言われた。

 

 

今日がここで過ごす最後の夜になるのか。それとも、、、。