それでもやっぱり、博士課程へ進学を決断する勇気は持てなかった。
体調の不安、金銭的な不安、そして「もうこれ以上頑張りたくない、どうせ頑張ったって私の人生は好転しないのだから一生布団にいる方がマシだ」という疲労感と虚無感……。
色々あったけれど、何気に「博士に行って研究したいことが思い当たらない」という悩みもあった。
引き続き不登校のことを研究したい気持ちはもちろんあった。
けれど、私が必死になって不登校の研究を続けたところできっと社会は何も変わらないし、こんな重苦しいテーマと共に生きていくのは、やっぱりちょっとしんどい。
かと言って、不登校以上に興味のある分野があるわけでもないし、そんなモチベーションで博士に進学するのもどうなのか、と思った。
そんな感じだったので、周りから進路のことを聞かれるたびに
「たぶん博士に行くと思います(?)」
みたいに、かなり濁した言い方をしていた。
行きたいけど行きたくないし、そもそも私なんかが行っていいのかもわからないし、行けるのかもわからないー。
そんな心境だった。
秋になり、卒業まであと半年を切って、進路のことをぼんやりと濁してはいられない時期に入った。
この頃の私は修論指導の大詰めの時期で、指導教員と関わる機会が多かったのだけど、その時私は、指導教員に対して妙な違和感を覚えた。
「もし博士課程に行くとしても、この先生のもとで研究するのはいやだな……」
そう思った。
これは修士に来る前から薄々感じていたことだけど、私は指導教員との相性が良くない(笑)
悪くはないけど、良くもないのだ。
良い先生なのはよくわかってるし、実績があるすごい先生なのも知ってる。
でも、なんかちょっと話が噛み合わないというか、コミュニケーションがうまくいないことが多々あって、微妙なストレスを抱いていた。
それでもべつに、
「相性が悪すぎて死ぬ!」
ってほどではなかったから、修士での指導教員にも選んだ*1し、
「もし博士に行くとしても、この先生のところで頑張ろう〜」
とずっと思っていた。
けれど、修論指導を通して色んな話をしていく中で、
「この人は無理だ」
と強く思うようになった。
あまりにも、全てが噛み合わなさすぎたのだ。
*1:うちの学部で教育分野(学校問題)に一番近い研究をしているのがこの先生だったため。