スプーンひとさじのしあわせ

京都府宇治市在住。2021年にうつ病を患いましたが、なんとか生きています。思ったことをありのまま、マイペースにゆるっと綴ってます。

わたしがTDRを愛する理由。

物心ついた頃から、わたしは東京ディズニーリゾートTDR」が好きだ。

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 3歳の頃にはじめて家族でTDRを訪れて以降、なんとなく、家族旅行の定番の行き先としてTDRが定着した。そして、それから何度もTDRへ足を運ぶうちに、きらきらと輝くディズニーの世界観にどんどん魅了されていった。ここ数年はめっきり家族では行かなくなったけど、それでもわたしは変わらずTDRが好きだし、今でも定期的に訪れる。ほんとうにずーーーっとTDRが好きなので、周りからは「わたし=ディズニーの人」だと思われているくらいである。

 

「なんでそんなにTDRが好きなん?」

そう聞かれたら、わたしはいつもこう言う。

「あそこに行けばいつでも非日常の世界を味わえるから。」

ひとことでいえば、わたしがTDRを愛する理由はこれである。

でもほんとは、わたしがTDRを愛することにはもっと深い理由がある。

 

TDRは虚構の世界だ。

いくら「夢の国」だと言っても、所詮は「人間が創り上げた虚構の世界」であることに変わりはない。けれど、TDRは絶対に裏側を見せないように、そして「人間の手によって創り上げられた世界」であることを感じさせないように、徹底して非日常の空間を作り上げている。その徹底具合は並大抵のものではない。

 

TDRの数あるコンテンツのなかで、わたしが最も愛を注いでいるのが「キャラクター」だ。なので、TDRへ行ったらひたすらキャラクターが出演するショーやパレードを観て、グリーティング*1をして過ごしている。変な話、ショー鑑賞とグリーティングをしているだけで1日が終わる。アトラクションもたまには乗るけど、もともと絶叫系が大の苦手ということもあって、よほど時間に余裕がないと乗らない。

「キャラクターのなにがいいの?だって人やん?」

たまにそう言ってくる人もいるけど、んなことわざわざ言われなくてもわかってる。

でもわたしは、「“非日常の世界を守る”という、それ相応の覚悟を持ってキャラクターを演じてくれてる人がいる」という部分も含めて、キャラクターが好きなのだ。

 

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生身の人間に直接的に愛情を注ぐことは、時として痛みを伴う。

いくら好きな人でも、深く付き合えば必ずその人の嫌な部分が見えてくる。まあ、それも含めて人間だから仕方ないけど、そうとわかっていても、一人の人間に入れ込むことによって傷つくことは多々ある。

「人を好きになると、その人の嫌な部分も知ることになるから。もう自分は人を好きになることはないな。」

そんなことを、少し前にある人に言われた。

個人的にその気持ちはすごくよくわかる。だからと言って、じゃあわたしは人を好きにならないのか?というと、べつにそんなことはない。けれど、仮に人を好きになったとしても、傷つくのがこわくて、心のどこかでいつもその人のことを一歩引いて見ている自分がいることは否定できない。

わたしは昔からそうやって、人のことを一歩引いて見てしまうところがある。それは身近な人に対してだけでなく、実際に会ったこともなければ関わったこともない芸能人やアイドルに対しても、だ。

 

 

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突然のいらすとや!(笑)

 

数年前までわたしは、今年で活動休止するジャニーズの某有名アイドルグループが好きだった。彼らが出演する番組は毎週欠かさず観ていたし、面白かった番組は録画したものを何度も観て、ライブDVDも毎回チェックしていた。

とはいえ、「ファン」と呼べるような熱量で彼らに愛を注いでいたわけではなく、本当にただテレビで応援しているだけで、CDを買ったことも、グッズを買ったこともほとんどなかった。*2

彼らのことは好きだけど、グッズやCDを欲しいと思ったことは一度もなかった。ライブDVDは自分で買うしか観る方法がないから仕方なく買うけど、CDはTSUTAYAで借りれば済む。それに、“わたしたちが知らないだけで、ほんとは誰かの彼氏かもしれない人のグッズ”なんて、とてもじゃないけど欲しいとは思わなかった。とにかくわたしは、「生身の人間に対してお金を使う」ということにひどく抵抗があった。

そうやって自らを商品として売り出すことが彼らの仕事だとはいえ、そのお金でもしかしたら女の人と一緒に暮らしてるかもしれないし、我々一般庶民が引くほどの豪快なお金の使い方をしているかもしれない。そういう裏側の部分を全て隠し通してアイドルをやってくれるのならば、応援している身としてこんなに嬉しいことはないと思うけど、「人間はいつか必ずボロが出る」というのがわたしの持論なので、とりあえずアイドル、というか人間に深入りすることは危険だと。彼らを応援している傍ら、ずっとそんなことを思っていた。

 

グループの中でも私はS井くんが一番好きだったのだけど、それは(当時)グループの中で唯一女の人との決定的なツーショットを週刊誌に撮られたことがない、貴重なアイドルだったからである。彼は頭が良いので、そのあたりはまだ他のアイドルよりかはうまくやってるのだろうし、まだ安心して応援できるんじゃないかと思っていた。
しかし、今から3年ほど前に彼は初めて週刊誌に女性とのツーショットを撮られてしまった。それがきっかけで、わたしは彼のことを好きじゃなくなった。好きじゃなくなったというか、前みたいなテンションで応援できなくなった。いつかはこういう日が来るのだろうなと心のどこかでわかってはいたけど、あまりに脇が甘い撮られ方をしていたので正直失望してしまった。

そしてこの頃、グループ内のほかのメンバーも立て続けに女性関係を週刊誌にすっぱ抜かれたことも影響し、それ以降は彼らの番組をほとんど観なくなった。スキャンダルを機に、少しばかり見ていた夢から完全に冷めてしまった。

 

S君のスキャンダルが出たあと、ファンのSNSやブログを見ていると、精神的ショックで仕事や学校を休んでる人もいたし、それこそ失恋したときみたいなひどい喪失感に襲われている人がたくさんいた。
そんな様子を見て、わたしは思った。

「ああ、やっぱり深入りしなくて良かった。」

これやから人間はいややねん、と思った。べつに裏では何してても構わないけど、それが一度表に出てしまうと、信頼は簡単には取り戻せない。

 

「芸能人はプライベートがなくてかわいそう」と言う人もいるけど、わたしは「それも含めて芸能人の仕事じゃないのか」と思う。

どんな仕事にも大変なこと、不自由なことは絶対にあるし、べつに芸能人だけが特別なわけではない。ただ、数ある仕事のなかでも芸能人の仕事は「プライベートがないに等しい」というのが、いわゆるデメリットとして存在している、というだけだと思う。

たしかにプライベートがなくなる代償は、わたしたちには想像もつかないくらい大きなものなのだと思う。けれど、それで我々一般庶民とは比べ物にならないくらいのお金をもらっているんだから、プライベートがなくなるのがいやならいっそのこと仕事をやめればいいのに、と個人的には思う。*3

 

前置きが長くなってしまった。

で、結局わたしは何が言いたいのかというと、「キャラクターは、わたしたちを傷つけ裏切るようなことは絶対にしない」ということである。

キャラクターには、スキャンダルや結婚、解散や活動休止などの心配をする必要が一切ない。いわば、永久不滅の存在である。それに、TDRにありったけのお金をつぎ込んだとしても、決して特定の誰かにお金を使っているわけではないので、「このお金で顔も名前も知らないミッキーさん*4などのキャラクターを演じている人や、TDRを支えてくれている人が笑顔に暮らせるのならそれでいい」と、素直に思える。

正直、ミッキーさんたちが裏では、というか、ミッキーさんがミッキーさんじゃなくなってしまえば何をしてるかわからない。でも、その姿をわたしたちは一生知らずに生きていけるし、仮にミッキーさんを演じている人が問題を起こしたとしても、私たちには知る術がないのでいつまでも夢を見続けられる。知らぬが仏である。
 
ミッキーさんは、表舞台に姿を現している間は必ずミッキーさんでいてくれる。何があっても、途中で着ぐるみの顔をとる、なんてことは絶対にしない。いつ行っても、誰が行っても同じように、やさしくわたしたちを歓迎してくれ、最高のエンターテインメントを提供してくれる。そのミッキーさんの姿はまさに、「非日常の世界」もとい「夢と魔法の王国」*5の象徴だと思う。

そりゃごくまれに、グリーティングのときに「このミッキーさんちょっと疲れてるな」とか、「ちょっと今のミッキーさん塩対応じゃなかった?」みたいに思うこともある。それはもう、ミッキーさんたちだってもとを辿れば人間なので、仕方がない部分もある。でも、「ミッキーさんは一人だけど一人じゃない」(深い)ので、また別のときに別の場所で会えば、そのトラウマや不安はわりと克服しやすい。そこがミッキーさんたちキャラクターが持つひとつの強みなのではないかと、個人的には思う。

だからわたしは、ずっとTDR、そしてキャラクターが好きだし、それらを創り上げ、非日常の空間を守り続けている人たちのことをとても尊敬している。

 

わたしがこうしてずっと一途にTDRを愛せるのは、「人間の生々しさや現実の気配を感じさせずに、非日常の空間を創り上げる」ことに並々ならぬ努力をしている人たちがいるからだということは、TDRを好きでい続けるうえで、絶対に忘れてはならないことだと思う。

いまはコロナ騒動で休園を余儀なくされているけれど、いつか再開したときには、また笑顔でTDRを訪れて、心ゆくまで非日常の世界を堪能したい。

 

 

*1:キャラクターと写真を撮ったり、触れ合ったりすることをそう呼ぶ。

*2:唯一、自分の誕生日が発売日だったCDは記念に買ったけど、半年で売りに出した。

*3:だから「自由な生活をしてみたいから嵐をやめたいと思った」というO野くんの意見は、個人的にとても尊重している。

*4:わたしはむかしから「ミッキーマウス」のことを「ミッキーさん」と呼んでいる。

*5:東京ディズニーランドのキャッチコピー。みんな「夢の国」というけど、正しくはこうです。