スプーンひとさじのしあわせ

京都府宇治市在住。2021年にうつ病を患いましたが、なんとか生きています。思ったことをありのまま、マイペースにゆるっと綴ってます。

If you keep on believing,the dream that you wish will come true.

この前、母と昼食を食べているときの会話。

「わたし、結婚式で竹内まりやの曲流してん。So, let's get married〜♪ってやつ。知らんやろ?」

「知らん」

「とにかくふつうの曲がいややってん。結婚行進曲とか、そんなんありきたりやんか。そこだけは譲れへんくて」

「ふーん」

 (なんでそんな話になったのか。よく覚えていない。)

 

わたしは考えた。

もし自分が結婚式をするとなったら、なんの曲を流すだろうか、、、?

(「あんた、結婚願望ないんとちゃうかったん」というツッコミは今日だけ無視する)。

 

しばらく考えて、それっぽいやつを思いついた。

「わたしならシンデレラのやつ流すな」

「あー、『いつの日か王子様が〜♪』のやつ?」

母上。それはシンデレラじゃなく白雪姫や(笑)

そうじゃなくて、わたしが言ってるのはこれである。


Disney's Cinderella - A Dream Is A Wish Your Heart Makes - Lily James

 

じつはわたしは、幼い頃から大のシンデレラファンだ。それも「プリンセスのなかでシンデレラが1番すき〜♡」とか言う軽い感じではなく*1「シンデレラはわたしの3大バイブル映画のうちのひとつ」*2というくらい、わりとガチめに好きなのである。

 

なぜそんなにシンデレラを好きなのか。じつは自分でもよくわかってない(笑)

普段冷めてることが多く、花男や逃げ恥、恋つづみたいな「いかにも!」な感じの恋愛ドラマを毛嫌いし、「ああいうドラマを喜んで見る層とは一生分かり合えない」とか言ってるくせに、「(ラブストーリーの王道中の王道作品である)シンデレラが1番好きです」なんて、これはもう一種のギャグでしかない。だから自分でも「シンデレラ好き」という事実がものすごく不思議で仕方なかった。

 

で、今回たまたま母とそういう話になったので、これを機に長年の謎(?)を解明しようと思ってめちゃくちゃ久しぶりに「シンデレラ」(アニメ版)を鑑賞した。ちゃんと見たのは10年ぶりくらいだったと思う(それなのにバイブルなんかい)。以下はざっくりとしたお話の内容。

 

◆◆◆◆

シンデレラは幼い頃に母親を亡くす。やがて父親は再婚するが、その父親も病気ですぐに亡くなってしまう*3。その後シンデレラは、継母のトレメイン夫人とその2人の子ども(ドリゼラとアナスタシア)と一緒に暮らすことになる。

シンデレラはトレメイン夫人たちに家事や洗濯を全部任され、いつもせっせと働いている。そして何も悪いことをしてないのにいじわるばかりされる。見ていて胸が痛くなる。わたしだったら絶対に心折れる。

けれど、シンデレラは決して希望を捨てない。

「信じていれば、いつかきっと夢は叶うはず。」

そう思い、つらい日々を乗り越えていく。

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この場面で流れるのが「A Dream Is A Wish Your Heart Makes(夢はひそかに)」。美しすぎて泣ける。

 

そんなある日、国王から舞踏会(という名の「王子の結婚相手を探す会」)の招待状が届く。招待者は「この国に住む年頃の娘全員」なので、もちろんシンデレラにも参加する権利がある。が、どうしてもシンデレラを舞踏会に行かせたくないトレメイン夫人たちは、膨大な量の家事をシンデレラに押し付ける。

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さっき掃除したばかりなのに、また同じところを掃除させられるシンデレラ。かわいそう、、、。

忙しすぎて、これではとても舞踏会に行く準備ができない。シンデレラはひどく落ち込む。

そんな様子を見かねたシンデレラのお友達(「友達」と言っても人ではない。ネズミと小鳥だ)は、シンデレラが舞踏会に行けるようにドレスを作る。しかし、そのドレスでさえトレメイン夫人たちにボロボロにされ、シンデレラは舞踏会に行けなくなってしまう。

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なんてこと、、、(´;ω;`)

 

「もう信じられるものは何もない〜」とひたすら悲しみに暮れるシンデレラ。

そこに、あの有名な!フェアリーゴッドマザーが現れる。

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「信じられるものは何もないなんて、本気じゃないでしょ?夢を信じない人のところにわたしは来ないわ。」

そして、とてもきれいなかぼちゃの馬車とドレスを用意してくれて、シンデレラは晴れて舞踏会に行けることになる。やったね!

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いつ見ても色褪せない、シンデレラの代表シーン。

 

舞踏会にやってきたシンデレラは、王子様に恋をする。そして王子様も、シンデレラに恋をする。お互いほぼ一目惚れだと思う。

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2人が出会って恋に落ちるシーンを見て「2人とも面食いなだけやん」と思ったわたしは相当心が荒んでいる。

「So this is love」が流れる中、2人でワルツを踊るシーンはとても美しく、キラキラと輝いている。今から70年前の作品とはとても思えない。

 

そんな夢のようなひとときを過ごしたシンデレラだが、これらの魔法は真夜中の12時ですべて解けてしまうことを思い出し、慌てて帰る。そのときに、ガラスの靴を片方落としてしまう。

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このシーン、思っていた以上にコミカルというか滑稽でちょっと笑ってしまった。

 

すべての魔法が解けて元に戻ったと思いきや、唯一魔法が解けずにそのまま残ったものがあった。ガラスの靴だ。

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このガラスの靴が、シンデレラを幸せに導く。

 

次の日。王子様が一目惚れした相手(シンデレラ)を見つけ出すため、王室に仕えている大公が例のガラスの靴を持って町を回る。

やがてシンデレラやトレメイン夫人のところにも、ガラスの靴を持った大公がやってくる。しかし、王子が探している相手がシンデレラであるということを知ってしまったトレメイン夫人の策略により、ガラスの靴はあっけなく割れてしまう。

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ああああ!

 「これじゃあ王子の結婚相手を探せない〜」と嘆く大公に対し、シンデレラは凛とした表情でこう言う。

「大丈夫です大公様。わたしもう片方持ってるんです」

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タッタラー!!!!✨(ドッキリ大成功!みたいなノリで言わないで!笑)

というわけでその後、シンデレラは王子様と結婚し、幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。

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文句なしのハッピーエンド。

 

◆◆◆◆

正直、いろいろと突っ込みどころが満載だった。特に社会学やってる身としては、ジェンダー的に「むむっ」と思うところがたくさんあった。でもそれはシンデレラに限らずディズニープリンセス映画全般に言えることだと思うし、そういうのがある意味「ディズニープリンセス映画の醍醐味」みたいなところもあるから、それはそれでいいんじゃないかな、、、と、個人的には思ったりもする。

あとはやっぱり、70年も前の作品なので、随所随所に時代を感じる場面が多々あっておもしろかった。「ハンサム」なんて言葉使う人、いま絶対いないでしょ(笑)

そんなツッコミどころ満載のシンデレラ(笑)だけど、全体的を通してみればやはり「これぞディズニーの原点」と言いたくなる、夢と魔法の世界を忠実に描いた素晴らしい作品だなあと思った。この作品なくしてディズニーを語ることはできないと思うし、あのウォルトディズニーが「一番好きな作品」と語ったのも頷ける。

 

シンデレラはどんなときにも自分を見失わない芯の強さを持っている。そしていつも明るく前向きで、誰に対してもやさしさと愛を持って接し、「信じることの大切さ」を絶対に忘れない。

わたしはべつに、シンデレラみたいに両親を亡くしたわけではないし、誰かに雑用を押し付けられているわけでもない。でもわたしも幼い頃はシンデレラと同じで、周りに信頼できる友だちや大人が誰も1人いなくて、信じられるのは自分の心と夢(未来)を信じる気持ちだけ、、、みたいな感じだった。まあぶっちゃけ今もそんな感じだけど(笑)

だからたぶん、わたしは小さな頃からずっと、そんなシンデレラの姿を自分自身に重ね合わせていたのだと思う。そして彼女のように「どんなときでも“自分を信じることの大切さ”を忘れない、芯の強い女性」になりたいと思っていたのかもしれない。シンデレラはわたしにとって一番の“理想の女性像”であり、だからわたしはずっと、シンデレラが好きなのだと思う。今回でちょっと、長年の謎が解けた気がした。

 

 

冒頭で流れる「夢はひそかに=A Dream Is A Wish Your Heart Makes」は、こんな歌詞になっている。

 

Have faith in your dreams and someday

Your rainbow will come smiling through

 No matter how your heart is grieving

If you keep on believing

The dream that you wish will come true

 
夢を信じ続ければいつか
虹が出てあなたに微笑む
どれだけあなたの心が嘆いていても
あなたが信じ続ければ
あなたの願いは叶うでしょう
 
 
If you keep on believing,The dream that you wish will come true.
(信じ続ければ、願いは叶う)
この言葉はある意味、わたしにとって一生の座右の銘であるのかもしれないな、と思う。
自分や他人、そして目に見えないものたちの存在までも信じ続けることで救われたこと、しあわせな気持ちになれたこと、そして願いが叶ったことというのは、、、改めて思い返してみると、意外とたくさんあるような気がする。
これからも、「信じる」気持ちを大切に生きることができれば、いつかわたしもシンデレラのように素敵な女性に、そして幸せになれるのかな、、、*4
 
そんなことを思う、とある夏の日だった。
 

*1:そもそもプリンセス映画自体にさほど興味がない。正直展開がどれも一緒なのでどうでもいい。

*2:あとのふたつは『魔女の宅急便』と『たまこラブストーリー』。

*3:ディズニープリンセスはなぜか幼い頃に両親を亡くす率が異様に高い

*4:だからと言って、べつにわたしはシンデレラのようにハンサム(笑)な人と結婚したいわけじゃないけど。